2017年9月25日
眠れる穴倉の装身具
間に合わせの簡素な祭壇には、大小のカップとオレンジ色の花。
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ガレマール帝国の支配からアラミゴを解放すべく戦う解放軍の拠点、ラールガーズリーチ。
激しい戦闘を静かに物語るのが、「対価の墓地」と呼ばれる穴倉です。
石壁に穴をうがち、そこへ石棺を納めるかたちのお墓が並んでいます。
いつの時代から墓地として使われているのか、黒衣森に眠るゲルモラ時代の墓所、タムタラ遺跡と似ています。
洞窟文化によく現れる共通の発想なのでしょうか。
それとも、同じ第六星歴前半期を生きぬいたアラミゴとゲルモラは、近隣国ゆえに文化的交流があったのかもしれません。
さらに、つぎつぎと増えていく亡骸に石棺の供給が追いつかなくなったようで、地面に直接土葬されたとみられる土の山もできていました。
形はどうあれ、弔う気持ちがだいじ。
それぞれのお墓には剣やナックルといった武器が捧げられていて、故人の健闘を称えています。
さて、その土の山の一つに、何だかわからないものを見つけました。
赤紫色の円盤には、中央に白い線で意味ありげな絵が描かれています。
周囲には緑か黒か、暗い色の石?が、飛び飛びに配置されています。
こんもりした円形は盾のようでもあり、華やかな風情はアクセサリーのようでもあります。
うーむ、何だろう。
そして、誰が眠るお墓だろう。
というような疑問を忘れかけていたころ。
ラールガーズリーチから西方、ギラバニア辺境地帯で、同じ模様を見つけました。
ここは、ウィルラ派のアナンタ族の巣(集落)、ウィルラ・ニリヤです。
紫の円に、にょろりとした模様。
緑の石がぐるり。
なるほど。
ラールガーズリーチにあったのは、アナンタ族の戦士のお墓だったんだね。
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