2015年11月20日

アラグ陽道を日の動きに合わせて歩く旅 【序】




早朝6時。
ザナラーン地方の東端。

南部森林から続くウェルウィック新林のまばらな木々の間からは、爽やかに晴れた空が見えた。
朝焼けに照らされた高層の雲が西の空にわだかまっている。
柔らかな風が心地よい。

絶好のさんぽ日和だ。

誰に言うでもなく「さて、どれくらいかかるかな」とつぶやいて、西へと続くアラグ陽道を歩きはじめた。



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先日書いた記事にいただいたコメントが、私の心に引っかかっていました。
そのコメントは「ザナラーンを縦断しているアラグ陽道の名前の由来は?」というものでした。

道の名前になじみのなかった私は、文献を調べてみて「アラグ帝国時代に作られた」よりほかに何もわかっていないのだと知り、少し落胆しました。


んー、そうかー・・・

それじゃ、いっちょ歩いてみよう! 何かわかるかも!



というわけで、題して「アラグ陽道を日の動きに合わせて歩く旅」の始まりです!
道沿いの景色をじっくり見て歩くことで、果たしてアラグ陽道の由来に迫れるのか!?



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この旅における私のもう一つの興味は「さて、どれくらいかかるかな」でした。
つまり、この道を私のさんぽ感覚で歩くとどれくらいかかるのか? という問題です。

今回せっかくいざと決めて歩き出すなら、ちゃんと景色を見ながら歩いて、
食事をして、宿泊をする、というリズムで歩いてみようと考えたのです。


なんとなく歩き始めて、見つけた物をじっくり眺め、なんとなく終わるのがいつもの私のおさんぽスタイルで、
これにどれくらい時間をかけているのかなんて考えたことがありません。
それに、わざわざ「どう歩くか」と企画して出かけることもありませんでした。


こちらの結果を言いますと、全行程一泊二日の旅になりました。
これは長い? それとも短いのかな?


この旅のようすは、私の見て歩いた景色を順を追って逐一紹介していく形で、(長いので)シリーズ化してお届けします。


とりとめない内容になるのは目に見えていますが、私の取材旅行に付き合わされたつもりで、旅情を感じてもらえたら嬉しいです。







さて。

などとつぶやきながら西へ向けて歩くことしばし。
ウェルウィックの森を抜けて景色が開けました。

ハイブリッジの関連施設や露天商、風車が目に入ります。


橋があるということは、すぐそこに深い地溝があるはずですが、
地溝を挟んだ地面の高低差のせいで、こちらからその様子は見えません。



ここ、ひろびろしていて好きだな。


今は居ないようだけど、たまにキキルンがちょろちょろ走り回るのも風景を賑わせてくれます。

遙か向こうにはウルダハの街並みが青い稜線となって眺められます。


でっかいなー。






橋に近づくと立派な風車が目を引きます。
穏やかな風に力を受けてグングンと回っていました。

右の低い建物は倉庫のようだし、穀物でも挽いているのかな。


左手の建物は飛空艇運送の管理事務所らしいです。
が、このときは無人でした。

まだ早朝だからね。



森を抜けたことで、葉っぱや樹皮や樹液をイメージさせる植物の香りは感じなくなりました。

代わりに漂うのは、無機質な砂の香り。
昨夜降りた露が気化しているのでしょう。




ハイブリッジを渡りかけて振り返ると、バーニングウォールに朝日がかかっていました。

東の空には雲ひとつ無く、ガツンと晴れています。

どうもむやみに背中がぽかぽかするわけです。






ハイブリッジを渡してある地溝をよく見ようと思って、橋を渡りきったところから北へ寄り道。

残念ながら水しぶきで煙っていて谷底は見えません。
こんな谷を刻むとは、第七霊災おそるべし、です。

ここからだと、ハイブリッジが両岸の高低差をうまくつないで道にしているのがわかります。

それにしてもアーチ橋というものは美しい!






妙に視界がチラチラするナーと思ったら、ちょうど風車の回転翼に日が重なっていました。

光の帯を引いて、神々しい風車。






地溝に面した崖下に偶然見つかったらしいベラフディア時代の遺跡を眺めました。
冷ややかな青緑色の石を使っていますね。

同じくベラフディア時代から遺る南ザナラーンのカルン遺跡と比べると、崩壊を免れているのがわかります。
第七霊災前は地中にあったのかな?


右手の立像の頭上には、こちらは古代の石のアーチで輪郭されていました。
アーチ中央の要石には、ベラフディアで信仰されていた日神アーゼマのマークが浮き彫りにされています。

円と天秤のかたち。

石像もマークも、きちんと左右対称です。






寄り道もほどほどにしよう。

そこから西へは野生の大ヤギ、アルドゴートが暮らす草原が広がります。
背の高い木はほとんどなく、低灌木と草ばかり。

のどかでございますナー。



「いくぞ、ナイツブレッド号」とカメを駆ります。

のそのそのそ・・・



<つづく>



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4 件のコメント:

  1. ちわっす
    今回は考古学者の日記帳みたいだね
    格好のせいかな?w

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    1. こんにちは!
      考古学者かぁ・・・かっこいいい(ジーン

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  2. こういうの好物ですー^^イイねー!
    最近はやることがいっぱいあってなかなかのんびりできないのがなんとも。続き楽しみにいます(*´ω`*)ノ

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    1. ただぶらぶらしただけの記事に熱いご支持が!
      おたのしみにー!

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