2015年10月5日

風とともに倒れぬ



南ザナラーン、サゴリー砂漠に来ました。
この辺りでは古代アラグ帝国時代の遺跡を見ることができます。


近くにあるカルン埋没寺院がベラフディア王朝時代の遺跡としておなじみですね。
せっかくなので、そこと対比しながら見てみましょう。




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砂漠を南へひた走り、地溝に阻まれて進めなくなってしまうところまで来ると、塔のような建物が遺されているのを見つけました。

細い石柱を連ねて屋根を支えるようになっていて、壁と呼べる構造は見あたりません。
窓にあたる部分は遮るもののない吹き通しになっています。
木の扉か何かで風化して無くなってしまったのか、あるいはもともと扉など無かったのかもしれません。

お椀を伏せたような丸い屋根と、上に乗っている装飾的な尖塔も印象的。

熱砂の地にかろうじて生きる植物と、倒れかけた建物のある景色は、
荒涼とした砂漠の真ん中でもアクセントになりますね。







こっちの塔は石が詰まっていて、細かい彫金の施された金枠で固定されています。
このぎっしり感、ステキ。



アラグ帝国は第三星歴に隆盛を極め、その繁栄のために引き起こした第四霊災によって滅亡した古代国家だそうです。
今から5000年以上前には存在していたようで、滅亡したのはおよそ4000年前とされます。



もしやここは寺院で、エライ人達が会談するのに使ったのかも。
あるいはお城や砦のように、武威を誇ったり、見張り台の役目も果たすような建物だったのかもしれません。




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実は、サゴリー砂漠周辺に点在するこれらのアラグ遺跡には興味深い共通点があるのです。

それは、「崩壊しているのではなく倒れている」というところ。



遺跡って普通そうじゃない? と思いますか?
ではベラフディア時代から残るカルン遺跡を見に行ってみましょう。






とうちゃく!

さあいかがでしょうか?









柱の上の方が壊れているのが目に付きます。
柱の列は、天井を支えるように、おそらく梁のような構造もあったのでしょうが、それらも欠落してしまっています。

こちらは(倒れてもいますが)崩壊が進んでいるのです。


アラグ建築のほうがベラフディアよりも、少なくとも3200年、もしかしたら4000年以上は古い時代です。
にも関らず、未だ崩壊を免れているほど強固な建築を築いたアラグの技術力には驚かされますね。



それから、目に見える加工技術にもぜひご注目を。

直線的に切り出した石を積み上げて作られたカルン遺跡。

一方、アラグの遺跡は曲線あり、曲面あり、金枠あり、彫金あり。
比べてみると、ずっと高度な技術で作られたのが見て取れます。






では、なぜアラグの遺跡は倒れているのでしょうか。

単に砂漠化で地盤が弱まったせい?
それとも何か強い力が横から建物にかかったのかな?


推測ではありますが、大地震とされる第四霊災がアラグ時代の建物を倒したと考えると、かんたんに説明がつきます。






ちょっと気になるのが、サゴリー砂漠の真ん中にある掘削現場につけられた、
ビエルゴズ・ストライク(工神ビエルゴの打撃)という名。


掘削機のパワフルな働きを打撃と称して最近付けられた名前なのか、
それとも大昔に何か、建物群を倒すような衝撃的なできごとがあったのか。

もしや、この場所にだけ、地震とはちがう何か特別な出来事があったのでしょうか・・・


いまのところ、この名の由来がわかる資料や伝承はありません。



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