2018年9月1日

第七霊災を歴史書でなぞる

あの星を食い止めなければ。



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新生祭で、ウルダハの経済誌「ミスリルアイ」の、デュラル・ザラルさんという記者と出会いました。

現代の冒険者の視点で、第七霊災のできごとをどう思うか、意見を聞きたいということでした。

「なんだか恐ろしいことがあったと聞いたよ。まあ冒険者がいれば大丈夫だよ!」

そう気軽に答えてはみたものの、私の気持ちはフワフワして落ち着きませんでした。


一方、当時を知る冒険者たちは、第七霊災前後のようすを恐ろしげに話しては、どこか寂しげな、それでいて微笑むような、不思議な表情を見せます。



どういうことだろう・・・



そうか、私は第七霊災のことをぼんやりとしか知らないのか・・・



せっかくこんな気持ちになったので、少しでも当時の様子を知るために、歴史書をひもといてみることにしましょう。

できることなら、当時の人々の気持ちを感じてみたいものです。




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以下の文は、「Encyclopedia Eorzea」に書かれた、第六星歴末期から第七霊災にかけての歴史の概要です。

なるべく冷静に、戦史としてまとめてみました。

地理と戦況が結びつきやすいように、かんたんな地図をまじえてご紹介します。



(注:この記事はとても長いです。紅蓮篇までのネタばれを含みます)

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【ガレマール帝国】
北州イルサバード大陸の小国、ガレマール共和国は、魔導技術の軍事利用を推進したソル・ゾス・ガルヴァス独裁官の指揮のもと、国の拡大に着手。
第六星歴1522年(新生の55年前)に北州を統一。
共和制から帝政へ移行させ、ソルは初代皇帝となった。

ガレマール帝国は東州オサード小大陸をも征服した。
東州平定のさなか、蛮神によって荒廃した大地(「ザ・バーン」)を見たソル帝は、蛮神殲滅を国是に据えた。
そして次なる標的を「西州」アルデナード小大陸、つまりエオルゼアへと定めた。





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第六星歴1557年(新生の20年前)、エオルゼア六大都市の一つ、ギラバニア地方にあったアラミゴは、暴君テオドリックに対する民衆の蜂起という内戦に揺れていた。
騒乱に乗じてガレマール帝国はアラミゴを易々と陥落、属州とした。

1561年、アラミゴの陥落をうけて、リムサ・ロミンサ、グリダニア、ウルダハ、イシュガルドの4国は、「エオルゼア都市軍事同盟」を結成。





【銀泪湖上空戦】
第六星歴1562年(新生の15年前)、飛空戦艦アグリウスを中心とした帝国軍の艦隊が、モードゥナ地方を目指し進軍。
銀泪湖の守り神、ミドガルズオルムと相打ちとなって墜落した。現在は黙約の塔と呼ばれる。



【蛮神の脅威】
この頃から、エオルゼアの獣人種族たちが次々と蛮神を召喚しはじめた(このことで「蛮族」と呼ばれるようになっていった)。
環境エーテルを力に変える謎の遺物「角笛」を入手したアシエンが、獣人たちに入れ知恵をしたようだ。



【グランドカンパニーの復古】
蛮神召喚が地域のクリスタル資源を枯渇させてしまうことに危機感を抱いたルイゾワ・ルヴェユールら救世詩盟は、エオルゼア諸国の首脳に対策を促した。
これを承け、リムサ・ロミンサ、グリダニア、ウルダハは、脅威への対策としてグランドカンパニーを結成した。



【凪の時代】
銀泪湖上空戦から数年間は、ガレマール帝国の侵攻が活発でなくなり、一時の平和な時代、「凪の時代」と呼ばれる。
ドラゴン族との千年戦争を抱えるイシュガルドは、エオルゼア都市軍事同盟から離脱。
残る各国も軍備を縮小したため、職にあぶれた多くの傭兵が、都市民から危険な依頼を受ける「冒険者」や「冒険者ギルド」を始めた。



【白銀の凶鳥、飛翔せり】
1569年、ガレマール帝国はエオルゼア空域への侵攻を再開した。民間飛空艇が撃墜され、空路は寸断された。
1572年(新生の5年前)、東方戦線にいたネール・ヴァン・ダーナスと第VII軍団が、西方戦線(ガイウス・ヴァン・バエサルと第XIV軍団)に合流。
エオルゼア侵攻作戦は再び活発になった。
その戦闘能力の高さと冷酷さによって、彼女は「白銀の凶鳥(ホワイト・レイヴン)」という異名で恐れられた。



【メテオ計劃の再始動】
ネールは、ダーナス家に伝わるアラグ文明由来の知識を利用し、第二期「メテオ計劃」の準備を開始した。
それは、高エネルギーの人工衛星である月の衛星「ダラガブ」をエオルゼアに落下させ、エオルゼアの(ヒト種族も含む)”蛮族”を根絶させる作戦であった。
帝国の侵攻で高まったエオルゼアの緊張は、獣人種族による蛮神召喚とグランドカンパニーによる討滅の連鎖を生んだが、これはエオルゼア諸国の戦力を削ぎつつ、発散されるエーテルをダラガブに集めてダラガブの活性化を促進するという策謀であった。

(第一期メテオ計劃は、ダラガブのエネルギーを受信して利用することを目的とした。1562年、東州の城塞都市シタデル・ボズヤで実験を行った際に、地上施設でエネルギーを受けとめきれず、都市は丸ごと蒸発してしまい、失敗に終わった。【シタデル・ボズヤ蒸発事変】

(後世の解釈では、メテオ計劃に執着するネールと第VII軍団の将兵は、この時点で蛮神バハムートのテンパードと化していたと考えられている)




【交信雷波塔破壊作戦】
帝国からエオルゼアに亡命していたシドは、モードゥナに建造された帝国軍施設「交信雷波塔」を見てメテオ計劃の発動を察知し、ダラガブが徐々に落下していることを各グランドカンパニーに警告した。
エオルゼア同盟軍と冒険者部隊によりこの施設は破壊された。






【月下の戦い】
交信雷波塔を破壊したにもかかわらず、ダラガブの落下は止まることはなかった。
ネールがクルザス東部低地「フィールド・オブ・グローリー」の古代アラグ文明遺跡から、引き続きダラガブの落下操作を行っていたためである。
クルザス上空の浮島に潜むネールを、シドの飛空艇に乗った冒険者部隊が急襲し、激闘の末、ついに討ち果たした。




【賢人ルイゾワの秘策】
ダラガブを誘導する装置は破壊され、ネールも没した。
だが、依然としてダラガブの落下は食い止められず、空を見上げれば赤く禍々しい光を放つダラガブが迫ってきていた。
このままでは第七霊災が起きてしまうと人々の間に動揺が広がった。

その頃、各地のエーテライトが変色し、エーテライトの転送網を通じて異界(ヴォイド)の妖異が街中へ突如出現するようになった。
また、帝国軍や強力な魔物の都市への侵入も頻発し、都市民でさえ日常的に生命の危機に晒されるようになっていた。

エオルゼア同盟軍の軍師となっていたルイゾワ・ルヴェユールは、エオルゼア十二神の「神降ろし」を提案。
それは、十二神の力でダラガブを空へ押し返そうという秘策であった。




【おわりの名は希望】
ルイゾワは、十二神の覚醒には、ネールを倒した冒険者による「祈り」が必要であると考え、神降ろしの儀式のため、冒険者に十二神の秘石を巡って祈りを捧げるよう依頼した。
また、エオルゼアの人々による、十二神への祈りも行われた。

第XIV軍団長ガイウス・ヴァン・バエサルは、ネールの率いた帝国軍第VII軍団がネール亡き後も狂信的にある場所で防衛線の準備をしているという情報を、冒険者(→エオルゼア同盟軍)へ漏らした。
これをヒントに、ダラガブはモードゥナ地方の南東部に広がるカルテノー平原に落下すると予想された。
カルテノーは、エオルゼアの中央部であり、ダラガブが落下した際にエオルゼア全域に影響をもたらす場所であった。

必然的に、ダラガブ迎撃作戦、すなわち神降ろしの場所もこの地に定められた。
儀式の場所として平原を確保したいエオルゼア同盟軍と、儀式を阻止したい帝国軍第VII軍団にとって、かの地での正面決戦は避けられなくなった。



【カルテノーの戦い】 ~ 第六星歴 1572年
リムサ・ロミンサ、グリダニア、ウルダハの各グランドカンパニーと冒険者部隊は、北ザナラーンに集結した。
そこから北上してモードゥナへ入ると、同盟軍本隊はカルテノー平原の西側を占めた。
対する帝国軍第VII軍団は平原の東側に布陣した。







モードゥナのカストルム・セントリから遊撃隊が出て、同盟軍の背後を襲うのを防ぐため、冒険者部隊がこれに対応し、撃破した。

カルテノー平原の激しい戦闘で、はじめエオルゼア同盟軍は押されつつあったが、冒険者部隊が戻ることで押し返した。










【バハムートと第七霊災】
激しい戦闘の繰り広げられていたカルテノーの頭上で、突如としてダラガブが崩壊を始め、エオルゼア全土にダラガブの外殻の破片が降り注いだ。
また、ダラガブの中から蛮神バハムートが出現し、各地に火球を吐いて焦土と化した。
これにより、両陣営とも大混乱に陥り、散り散りになって逃げ惑った。




(後世の解釈では、ネールと第VII軍団にとって、ダラガブの落下ではなく、蛮神バハムートの顕現こそが真の目的だったと考えられている)




ルイゾワは、十二神の力の矛先をダラガブを押し返すためではなく、バハムートの拘束に切り替えた。


そこから先のできごとは、目撃者が多く居たにもかかわらず、確かな記録には残っていない。



【終戦、霊災の後遺症と「光の戦士」】
カルテノー平原一帯を強い光が包んだ後、バハムート、ルイゾワ、そして英雄のごとき活躍をしていた冒険者は姿を消した。
カルテノー平原には、帝国軍とエオルゼア同盟軍の兵たちが居るばかりであった。
いずれの軍勢も、負傷者の回収と撤退を余儀なくされた。

その後、エオルゼア同盟軍に協力していた冒険者に関する奇妙な記憶障害が、エオルゼア全域の人々に発生した。
冒険者の名前は思い出せず、姿を思い描こうにも眩しい光の中にあるかのように見えないというものである。
無名となった英雄は、敬意を込めて「光の戦士」と呼ばれるようになった。



【不可解なる新生】
ダラガブの破片の落下とバハムートによる破壊で、エオルゼアの大地は地形の変化と気候変動を被った。
ところが、荒廃したエオルゼアの自然は、奇妙な勢いで回復した。
これはルイゾワが十二神の力を借りて起こした奇跡だと考えられた。







~~~ 5年後、”新生” ~~~







【第XIV軍団の進出】 ~ 第六星歴 1577年
カルテノーの戦いにおいて、平原に出陣せず、飛空艇の上から戦況を見守っていたガイウスと第XIV軍団は、いったんアラミゴに戻ると、軍勢をモードゥナのカストルム・ノヴム(現在のカストルム・セントリ)に派遣。
モードゥナを拠点に、エオルゼア各地にエオルゼア諸国への対抗拠点を築いた。
このとき新設された代表的な拠点が、北ザナラーンのカストルム・メリディアヌムである。

【暁の血盟】
救世詩盟は暁の血盟と名を変え、ミンフィリアが率いることになった。
彼らは、過去を視る「超える力」を持つ冒険者と出会い、共闘関係を築いた。
グランドカンパニーとも協力しながら、ガイウス率いるガレマール帝国軍と、くすぶる蛮神の脅威と戦い続けた。


【十二賢者の行進、第七星歴宣言】
暁の血盟がエオルゼア同盟軍と冒険者部隊を連絡、調整しながら、マーチ・オブ・アルコンズ作戦と名付けられた反攻作戦が繰り広げられた。
北ザナラーンのカストルム・メリディアヌムに移送されていたアルテマウェポンの破壊、そしてガイウス・ヴァン・バエサルの撃破を果たした。

モードゥナ地方の銀泪湖畔にて戦勝祝賀会が開かれた。
ついに、エオルゼア都市軍事同盟の領袖たちによって、第七霊災の終焉と第七星歴の到来が宣言された。
ダラガブの落下から5年後となる、第六星歴 1577年(第七星歴元年)のことであった。




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長い物語となりました。

エオルゼアにとって、苦しく、激しい痛みを乗り越えて、ようやく掴んだ希望が、新生だったのです。

エオルゼアに暮らす人々は、彼らのために多大な貢献をしてきた冒険者の存在を、記憶から失うという悲しみも味わいました。

それはどれだけ、心細く、申し訳なく思われたことでしょう。



冒険者は・・・
当時の冒険者の気持ちを想像するのは、当時を知らない私にはおこがましいことのように思われました。


彼らは、新生に希望を託したのでしょうか。

そうであったなら良いなと、私は思います。





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そうそう、まだアラミゴや東方諸国へ行くことができなかった頃に、テレポ代を節約できないかと思って、こういう地図も作っていました。

このたび、これを眺めていて、ひとつ面白いことに気づきました。



さて、この頃、ガレマール帝国軍がどこにいたかを考えてみましょう。


ここまでの歴史で、帝国にとって重要な軍事拠点は、どこよりも、モードゥナでしたね。
モードゥナから、北ザナラーンや西ザナラーン、東ラノシアの拠点へはすぐの距離です。

そして、属州であるアラミゴも忘れてはいけません。
アルテマウェポンが一時保管されていたように、アラミゴは帝国の軍事拠点としてしっかり整備されていました。



そして、この地図に黄色い線で描いた「空路」。
これは、市民や冒険者が利用可能な、安全な定期航路を表しているのですが、その空路が寸断されている場所を見ると・・・

そう、アラミゴと、モードゥナをつなぐルートをかわすように、帝国軍の飛空戦艦に鉢合わせないように、空路が設定されているのです!



はー!
なっとく!





(この図を作った後しばらくして、イシュガルドと、南の三国(リムサ・ロミンサ、グリダニア、ウルダハ)を結ぶ定期便も開設されました)



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2 件のコメント:

  1. 新生前の歴史を詳しく知らなかったのでとてもワクワクしながら読ませていただきました(-^〇^-)

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    1. 読んでいただきありがとうございます!
      当時の様子を想像しているうちに、淡々と書いていたはずが徐々に熱いものがこみあげる気分になってきました。

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