2015年6月10日

風と夕陽の丘


何かの史跡だとか、巨大な自然の造形物だとか、イベントごとのよく催される場所だとか。

そういうのではない、全くただ、景色が良いだけの場所。

不意に立ち止まって、心の中に景色と色彩をたたみ込むために
ただぼんやりするのに向いている場所とでも言いましょうか。

お気に入りの場所の一つです。



低地ラノシアのレッドルースター農場で、干し草の上に腰を下ろして、
地平に沈み往く夕陽を眺めて、ぼーっと時間を過ごしました。


夕陽を中心に空が茜色に染まっています。

少し上を仰ぎ見れば、夜が音もなく近づいて、藍色に褪せていきつつあります。


風の音と、ドードーたちの足音の他は何も聞こえません。


緑の波を成していたシダーウッドの草原は、やがてシルエットになりました。


ひんやり下りてきた夜露と風に体温が徐々に奪われていくとき、
「私は生きている」と感じるのでした。


さて、帰ろっか。



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2 件のコメント:

  1. ノスタルジーなSSと文章で最高でっす!!!!

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    1. ありがとうございます!
      うへへ、私なりに詩的な文章をひねりまわした甲斐がありましたナー

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