2015年9月29日
窓の外には林檎売り
「夏が終わっちゃったね」
紅茶のカップを見つめたまま、彼女はそう言った。
夏のころには虫の声が響くはずの東屋を満たしているのは
秋を告げる虫の声と、彼女の声、
それから僕の涙が落ちる音だけだった。
「季節は移ろうものよ」
―― 知っている。
「愛情は消耗品なの」
―― 君から聞いたことだ。それも知っている。
僕の紅茶はもう残っていない。
飲み干されたカップは、僕の手の中で乾きつつあった。
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ハイ、意味もなく意味深な書きだしでこんにちは!
お気に入りの風景の紹介をしたいと思いまして、せっかくならただ紹介するよりは、ということで、
それが似合う文章を考えちゃうぞコーナーでした。
写真の舞台をご説明しましょう。
ここは高地ラノシア。
オークウッドの崖下にある小屋です。
珍しいことに、ここの窓は木枠だけでガラスがなく、吹き通しになっています。
ガラス代わりの木の板はつっかえ棒ではね上げてあります。
おかげで窓の外に近隣の木々と石緑湖がよく見通せるのです。
木々の向こうにはキキルンのお店やワンダラーパレスも見えますよ。
爽やかに晴れた日の美しい森や湖の景色が暗い窓枠で輪郭されることで、
より色鮮やかに見えるところが気に入っております。
この小屋にはたいてい考古学者であるタンガ・トンガさんがいます。
彼は、小屋の頭上にある「サラオスの亡骸」という巨大生物の化石を調べるためにここに滞在しているそうな。
わかるよー、あれ気になるよねー。
私も最近また気になり始めたので、足繁く通っていたところなのです。
(「新説・アジス・ラーとラノシアの関係」)
調査の手伝いを頼まれることもありますが、ほとんどの時間は研究に没頭していて話しかけてくることもなく、
お客さんとしても邪魔されずに好きなだけ滞在できます。
本を読んだりお菓子を食べたり、同行者も居れば小さな声でお話したり。
廃村のようなプアメイドミルの集落よりはずっと落ち着ける雰囲気なので、
このあたりで休憩したくなったときなど、立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
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