2015年11月27日

アラグ陽道を日の動きに合わせて歩く旅 3


アラグ陽道を日の動きに合わせて歩く旅、初日もそろそろお昼です。
寄り道続きでお腹が空いてきました。


ちゃんとアラグ陽道を西へと辿って・・・そうだ、どこかで休憩しよう。


ともかくアラグ陽道に戻って西へ進むと、ほどなく下り坂となり、洞窟の中へと続いていました。
洞窟の中は、そう、キャンプ・ドライボーンの集落です。


そういえばこの道、ちゃんと石畳で舗装してありますね。
支配王朝が次々入れ替わったザナラーン地方だから、「いつの時代に工事された舗装なのか」なんて考えてみるのも面白そうです。



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シリーズ 「アラグ陽道を日の動きに合わせて歩く旅」、今回は第3回目です。

(これまでの流れ: 序章 第2回目









下り坂の洞窟を抜け、開けた窪地に入りました。
井戸が見えてきたら、キャンプ・ドライボーンの中心に到着です。

ちゃんとここまで舗装が続いているけど、天然の窪地を利用した集落なのかな? 



熟練のおさんぽ士たる私でさえ、ここは何度来ても入り口と出口がわからなくなるので困りもの。

ご飯に行く前に、目指す出口をあらかじめ指さして確認しておきました。


いま下りてきた道(写真では背後)から真正面に見える、左に向かって上っていく坂道が今日の私の出口。


うむ。ばっちり。



頭上に渡してあるロープは何のためでしょうね。

日よけや、たまに暴雨よけの布を張ったりするのかな?






半地下になった薄暗いパブで昼食です。


ここは陰鬱な雰囲気が漂うお店でした。

それもそのはず。
墓所として有名な聖アダマ・ランダマ教会と、寂れた鉱山集落のゴールドバザーが近く、
貧しい人を狙ってアマルジャ族による誘拐事件が起きるような土地柄です。
武骨な採掘士や旅商人でさえ、言葉少なに陰気な顔で食事を摂るとそそくさと出ていくようです。



ぱさつく安価なパンをもっさもっさとほおばってジュースをいただいたらひと心地つきました。

ここは落ち着かないので、私もすぐに出かけることにしました。








お店を出るとザナラーン特有の強い光が、暗さに慣れた目を刺しました。



この集落の多くの建物は、窪地の底に玄関を持ちます。
つまりさっきまで歩いてきた街道から見れば「地下室」の高さに部屋があるのです。

地下室を作ったり岩の壁に建物をめり込ませて建てたりするのは、
強い日差しを受ける壁を減らすことで、屋内を少しでも過ごしやすくする目的でしょう。


それでも薄暗いと気持ちが滅入って良くないね。

さっさと出発することにしましょう。









キャンプ・ドライボーンを出ようというところに、一人の男性の遺体が横たえられていました。

ここいらの墓所として有名な聖アダマ・ランダマ教会は、残念ながら弔われる遺体の数が多すぎて穴掘りが追い付いていないそうです。
そうするとこのように、遺体と遺族はこの集落で待機するわけです。


ザナラーンでは、ナルザル教へのお布施の額に応じて、葬送の扱いが変わるそうですね。

豊かな人々は、ウルダハのエラリグ墓地へ、そうでない貧しい人々は聖アダマ・ランダマ教会、
それさえも難しければ荒野で野ざらしに、とのこと。


この男性も、連れの女性も、身なりからすれば荒野に置き去りにされるほど貧しくはなさそうです。
教会へ行く予定なのでしょう。


それでも、ここへ運ばれてきて尚、やむをえないとはいえ、地面に直置きかあ・・・
あまり気持ちの良い取扱いとは言えませんね。

白い法衣の聖職者がせめて遺族を慰めようと声をかけていました。








ザナラーン様式の、四角形の模様に染め出された日よけがかかっていました。

埋葬のためにウルダハからここへ来た一行にとっては、待望の日よけとなりそうです。
これから荒野へ出る私にとっては、名残惜しい日よけです。

また強い日差しの中を、西へ向けて歩くのです。







キャンプを西へ出てすぐのところにあった標識には行く先が3つ記されていました。

上から順にウルダハ、ブロークンウォーター、キャンプ・ドライボーン。


これから私が行くのはウルダハ方面です。



<つづく>



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4 件のコメント:

  1. ドライボーン、旧版では平坦な土地にテントがあるだけの場所だったけど、そこは大人の事情wで昔からこの姿だったと私の中では脳内変換されてます。新生して初めてここを訪れた時のショックは大きかった~。死体がその辺に転がってますもんね。
    ここにいる「あなたまさかアマルジャの手先じゃないでしょうね」っていうお姉さん、旧版でドライボーンを仕切っていた隊長さんが同じこと言ってました。名前まで覚えてないけど同じ人かも?だとすると退役したのかな。気になります。
    次は夕暮れになっちゃうかも?どこで宿をとるのか楽しみw

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    1. キャンプ・ドライボーンあたりで出会う話は、日差しとは反対に暗いものが多くてしんみりですね。
      東ザナラーンはバーニングウォールがあったり大きな地裂があったりするくらいなので、第七霊災の影響が大きかったのでしょう。
      ドライボーンもその影響で陥没しちゃった…のかな?
      ボーン。

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  2. このシリーズ面白い!
    一泊二日を一緒に旅をしているような感覚で素晴らしいです。
    何気ない日よけも、改めて気づかされました。
    アラグ陽道の終着点はどんなのかしら。

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    1. さくらさんこんにちは。
      たった一泊二日なのに、書き始めてみるとスゴイ長いものになってきつつあって、
      いつ宿泊できるのかとヒヤヒヤしております。
      気長にお付き合いくださいませー。

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